愛があるんじゃない?

かっこよすぎるんじゃない、『五右衛門ロック』! 新宿バルトで観てきました。
http://www.goemon-rock.com/
古田新太に惚れ直す。北大路欣也からソフトバンクお父さんイメージを振り払う。舞台役者は、テレビじゃなくて、やっぱり舞台で見たいとあらためて思う。
「拙者、しあわせ」と呟く侍、江口洋介。この舞台での江口は好き。
ちっちゃいあなたが好きという奥方の甘い囁きに、「頑張るぞ、ちっちゃい俺」と背伸びする、器の小さな小市民将軍。小市民って愛しい、そして厄介。
「盗んでやるよ! てめえらのたまりにたまったさもしい欲を!」。古田五右衛門はそう大見得切るけれど、とてもじゃないが、盗みきれないね、きりがないね、人間の欲は、まさに、浜の真砂は尽きるとも…、だからね。かくして五右衛門は生まれかわり死にかわり永遠に盗人稼業(とは舞台では言っちゃいないが)。

「愛があるんじゃない」、と舞台でみんなが声を合わせて歌うけど、舞台上の小物大物それぞれにそれぞれの「愛があるんじゃない」状態ではあったけれど、北大路欣也が体現する「愛」は、実は、いろんな意味で、かなり怖いかも。人間が持ちうる愛のなかで一番怖い愛かも。愛には覚悟が必要だ……、とこれまたあらためてつくづく思う。

五右衛門ロック』、まだ観てない人は、観たらいいんじゃない。