JR丹波口駅から歩いて10分ほど。
このあたりは、街の空気がざらざらとした感じ。
京のはずれ、といった風情。
路地の奥にひっそりと、安寿と厨子王ゆかりの身代わり地蔵尊。
厨子の中のお地蔵さんを見ることができるのは、8月の地蔵盆の時だけ。
かつて、「さんせう太夫」が語られた時代には、
このあたりに乞食、癩病、芸能民がいたという。
おみくじは「第十五番半吉」。
このみくじにあう人は暴風にあう舟のようで行けば戻れず、困難が多いが、心正しく神仏に念ずればやがて風もおさまり、彼岸も見えてくる、とある。
そうか、舟か。もう舟は出てしまって、戻れぬようなのである。
夜叉神は荒ぶる神、摩多羅神のごとき後ろ戸の神、世界を揺さぶる芸能の神、というふうに思っていたのだが、歯にご利益のある神とある。うううむ。