2023年9月22日、23日に大間で開催される大MAGROCKに参加しようと、
その1週間ほど前に慌てて行程を組んだ。
大MAGROCKが、百年芸能祭に参加したいと言っていると、北からの風が教えてくれたから。
これは行かねばなるまいと、本州最北端めざして旅に出た。
旅は遠ければ遠いほど、険しければ険しいほど、楽しい。
「ローカルが集まり ローカルで作って
楽しむフェスにしたい!」
◆この言葉がよかったな。どんなふうにフェスが作られるのか、どんな人たちが集まるのか、その現場で体験したかった。
◆大間原発反対現地集会については、まったく予備知識なし。
フェスのようにカジュアルなものなのか、どんな人たちが集まってくるのか、
現地の人たちはどれくらい関わっているのか、自分の目で確かめたいことは沢山。
◆大間原発建設の用地買収に、ただ一人応じなかった熊谷あさこさんの土地に立てられているログハウス「あさこハウス」(現在は娘さんのあつこさんとボランティアによって運営)には行きたいと思っていた。
◆大間から、東通、そして六ケ所を巡ること、私の人生経験が土台となって形作られる私の想像力には、決定的に北への想像力が欠けているという自己認識がある。
北に向かうこと。
閉ざされた想像力を突破すること。
旅はつねに限界突破であること。
植民地から両親の故郷である九州に引き揚げ、そこを近代を突き抜ける旅の出発点とした森崎和江のように、
そして、北へ北へと向かって、反閇の響きに揺さぶられ、ついに近代の彼方へとたどり着いた(と私は思っている)森崎和江のように、
私も北へ向かおう。
さて、
【奈良から下北半島の先端・大間までの行程】
午前11時 家を出る → 14:15 伊丹/大阪空港発 → 15:55 青森空港着
→17:23 青森駅発/青い森鉄道→(11駅)→18:10 野辺地着(乗り換え)
18:14 野辺地発/大湊線 →(9駅)→ 18:10 下北
※本日はここまで。
※あとから気がついた。青森空港経由ではなく、三沢空港か、函館空港経由ルートもあったなと。
「近世の下北は 田名部通 ( たなぶどおり ) と呼ばれる盛岡の南部藩領で、田名部代官所に属した」という。下北の街なかに「田名部」という言葉を多く見かけて、思わず調べた。
下北の街を田名部川が貫き、街の中心部には下北半島總鎮守 田名部神社がある。
神社の周辺は夜のお店が軒を連ねる。お酒を飲めない私は、落ち着いて夕食を食べることのできる店を探して、夜の街をだんだん遠く離れていき、街灯のあまりない道路沿いに店を探して、ようやく辿り着いたのはモスバーガー。ちょっとさびしい。そこしかなかった。
ここに来るまでの移動の車中、森崎和江と簾内敬司の往復書簡を繙いていた。
簾内敬司は、森崎和江の北への旅の道案内人。
森崎和江には思いもよらぬ、風土と反骨の精神によってに育まれた想像力から発せられる言葉で、森崎和江を北の大地へと導きいれた人々のひとり。
もう二人とも、この世から旅立ってしまった。
(この項つづく)