また、原点

神保町の在日韓国YMCAで二時間あまり語ってきた。家にカンヅメで仕事をしていて、声を発することがほとんどない、(声の出し方を忘れている)その合間に、いきなり沢山の人の前で話すというのは、なかなかチャレンジングなこと…。

新宿職安通りから西表島〜韓国・小鹿島、そして中央アジア、南ロシア・ロストフと飛び、最後は済州島へと向かう、二時間に収めるにはかなり無謀と思われる旅の話。百年のディアスポラの記憶を追う旅を、たった二時間で、記憶の空白へと向かう旅へと書き換えていこうと目論んで、ただでさえ話し方を忘れていて口が回らないのに、それはもう大変な駆け足。胸がどきどきしました。

と言いつつも、今の自分の立ち位置を見直す貴重な時間となり、その時間を作ってくれた方々、うろうろとあちこちさまよう旅の話にお付き合いくださった方々に心から感謝。

『ごく普通の在日韓国人』から25年の時を経て、「在日」であるということをいま一度見つめなおす、そういう時を迎えている。いろいろなこだわりやわだかまりや迷いがだんだんと融けていく、また新たな原点に向かう、そういう時。