「祭文」から「歌祭文」、「歌祭文」から「でろれん祭文」

近世中期に入って浄瑠璃や歌舞伎が大人気になると、「お染久松」「八百屋お七」「お俊伝兵衛」「お夏清十郎」など、巷間に流布した悲恋哀話を平易な祭文調で語る「歌祭文」が現われた。


三味線を用いた弾き語りが流行したが、冒頭の一句だけは、やはり祭文の古風を守って、「敬って申し奉る」から始まった。


昔ながらの錫杖を用いた歌祭文は「でろれん祭文」と呼ばれた。