2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『山の神』(吉野裕子 講談社学芸文庫)から、メモ

「三月には都城十二門の中、九つの門に犬を磔にして春気を送るのである。このようにしないと犬の禍がある。犬は金畜であるから、この犬を九門に磔にするのは「金剋木」の相剋の理によって、金気を抑えて木気を扶け、木気である春の功を遂げさせ、三月という…

山の神、蛇神、カカ、カガ、カク、カグ、カゴ

『山の神』を読むうちに思い出したこと。吉野裕子は、古代日本人は自然・人工を問わず、数多くのものを祖霊の蛇に見立てたという。自然物のうち、最大のものは山。多くの場合は円錐形の山。また、『古事記』の万物生成神話のなかで山の神誕生に関するものは…

 島だからこそ、あらわに見えること

戦後日本で、沖縄のさらに南の八重山の小さな島・石垣島で起きていた出来事は、同時期、朝鮮の済州島で起きていた凄惨な事件ともつながる、その後の、民主主義の使者として米軍が乗り込んでいったあらゆる場所にもつながる。島だからこそ、あらわに見えるこ…

ソルムンデハルマン・ダイダラボッチ・天狗語り

連休中は、八王子駅前の放射線通りで、八王子古本市。 『韓国の民間信仰』(張寿根著)資料編、論考編を購入。済州島の巫俗を詳細に論じた2冊。 論考編第一節 島勢概要に、島の創世神話の女神 ソルムンデハルマン(ソルムンデ姥)が登場。 「巨人婆様が土を…

パトリック・シャモワゾー『素晴らしきソリボ』より

沈黙、それは言葉だ。沈黙している間、待っているのは簡単なことだ。だって言葉では村を作ることが出来るが、沈黙なら、お! 世界を創ることが出来る。それに、言葉の中にも同じだけの沈黙があり、沈黙の中にも言葉がある。