2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『闘いとエロス』 メモ

わたしの感覚の創造主である朝鮮の群衆と山河がほうふつと浮かぶ。わたしの心が激しく首をふる。あれをほろぼしてはならぬ、という。あれをにほんで使え、という。 どこで使うね…… 朝鮮は岩なのだ。 室井腎(谷川雁)とその地元から来た青年たちの水俣方言の…

森崎和江 自意識 メモ

即自的な私はコスモポリティクな流亡の徒であって、定着する日本の共同体意識のどのランクにも入りこめない。強いていえば遊芸売笑の賤しさで民衆のエキスを伝播して歩く遊行女婦(うかれめ)グループの心情を伝承している。 大海にほうりすてられ、青天にあ…

森崎和江「わたしと言葉」 「祖母たちのくすり」メモ

女の人は、というか、わたし自身が女ですから、女の意識とか感性とかの中には、書き言葉によって自分を認識するということよりも、話し言葉によって自分や世の中を感じ取ったあとが残っています。またひとりひとりの女は、わたしが自分のからだの変化を想像…

森崎和江。言葉。メモ。

私は政治的に朝鮮を侵略したのではなく、より深く侵していた。朝鮮人に愛情を持ち、その歴史の跡をたのしみ、その心情にもたれかかりつつ、幼い詩を書いて来たのである。 自然界といのちとのシンフォニーへの愛をはぐくんでくれたのが「日帝時代」の大地であ…

メモ  物語をめぐって。

私たちが書かない物語の運命が どうなってしまうのか、 あなた、分かっていて? それは敵のものになってしまうのよ。 (イブラーヒム・ナスラッラー『アーミナの縁結び』より)