アナキズム
私は政治的に朝鮮を侵略したのではなく、より深く侵していた。朝鮮人に愛情を持ち、その歴史の跡をたのしみ、その心情にもたれかかりつつ、幼い詩を書いて来たのである。 自然界といのちとのシンフォニーへの愛をはぐくんでくれたのが「日帝時代」の大地であ…
もう30年も前のことになるのか。 石牟礼道子さんの天草探訪の旅に1度だけお供したことがある。 原城跡を訪ね、鈴木神社にも伺った。 当時はこの度が『春の城(アニマの鳥)』に結実するとはまったく知らなかった。 私にとっては初めての天草の旅だった。 『…
第5章 菜種雲 おうめ。 あたいの仕込む酒はな、甕の中で、ナマンダブ、ナマンダブちゅうて泡の立つとぞ。お念仏唱えん者には、呑ません 。 顔を見たこともない殿さまや、代官所の役人たちがどのくらいの人間だか知らぬが、わが身を使って働いたことのない者…