団体行動が苦手、人がたくさんいるところが苦手、
でも、家でひとりでできることをするだけでは、もう耐えられない、
耐えられずに、街に出て、もう耐えられないぞと、誰かれなく囁きかける、
そんな〝パレスチナ連帯/植民地主義にもジェノサイドにもサヨナラ/ふざけるな/殺すな゛ぶらぶら散歩をすることにしました。
類友である百年芸能祭関西実行委員会の友人たちも、
やはり耐えかねて、一緒にぶらぶら散歩をすることになりました。
一緒にぶらぶらしますが、ルールはないし、みんな気ままで、つるまない。
どこをぶらぶらしようか?
天神橋筋6丁目商店街(略して天六。ここはすごく長い)がいい。
駅前から好き好きに店を覗いたり、立ち止まったり、立ち話ししたり、
最終的に扇町公園を集合地としよう。
公園は親子連れが多いはず、フラッシュモブして音楽奏でて歌って、さささーっと消えようか。
くらいの決めごとをして、歩きだしたのでした。
めざすは、日常の中にゆるゆる分け入る連帯行動、です。
われらが昨年から立ち上げた百年芸能祭の流儀そのままの振舞です。
さて、私は奈良のわが家を出たところから、連帯ぶらぶらを開始。
2月18日午前11時
天神筋橋六丁目駅前に集まったのは8名。
さあ、散歩が始まります
【パレスチナ連帯散歩 全編】
これ20分と長いから、この映像から抜いた「扇町公園編」と「マレビトと共に祈る編」も「全編映像」の下に貼りつけます。
駅前から歩きだして、五匹のネコさんたちにいきなり捕まったり、
ネパールの服やら雑貨屋やら仏具やら楽器やらが置いてある店を覗いたり、
BIG ISSUEの販売員のおっちゃんと語らったりするうちに、
一同、三々五々、扇町公園にたどりつくわけです。
扇町公園では、連帯散歩の連れの一人、はぐれ山伏八太夫の法螺貝の音を合図に、
親子連れのみなさんに向けての、メドレーのはじまりはじまり!
変な人たちが、変なことをしているなぁ、みたいな空気も確かにありました。
いや、いいんですよ、もともとこの世のはずれで生きているようなものですから、私も、散歩仲間も。
今日は妙な人たちが、ガザだとか、パレスチナだとか書かれたゼッケンみたいのを胸や背中に貼りつけて、♪♪アンアンアンパンマン♪♪と叫んでたとか、どんな形であれ記憶に残れば、何かの拍子に思い出したり、ふとガザに思いを馳せることもあるでしょう。
そうそう、散歩仲間のなかにはマレビトもいたのでした。
マレビトは声もなく踊りますが、その踊り自体が声を放っています。
マレビトが踊り出すと、おのずと散歩仲間のピアノ弾きがアコーディオンでロマの旋律を奏ではじめました。山伏が法螺貝を吹きはじめました。地を這う踊りは、地を這う祈りです。私たちは祈りました。公園もきっと祈ったことでしょう。
いきなり、いつもの公園とは違う風が吹いて、小さな少女がひとり、マレビトが怖いと泣きました。ごめんね、女の子ちゃん。
団体行動が苦手、人がたくさんいるところが苦手、
同じ言葉をみんなで同じリズムで叫んだりすることが苦手、
同じリズムで足並み揃えて行進したりするのが苦手、
そんなはぐれ者たちでも、もうとても耐えられない、
と、街に出て行くこともあるのです。
2024年2月18日はそんな一日でした。
この日、慣れないことをした私は、家に帰り着くなり、ベッドに倒れ込み、死んだように眠りました。
夢の中でも、私はぶらぶら歩いていました。
夢の中でも、そうやって祈っているようでした。