2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

剣術

新陰流の達人の前田英樹さんが主宰している会の稽古をのぞいてきた。底冷えする体育館で、すり足で一本の線の上をすーっと前後左右にぶれることなく歩く練習をしている人、ガラス窓に向かって型の練習をしている人、指導者と向かい合って型をひとつひとつ確…

彼岸の時間

「演劇の一場面 私の想像遍歴」(小島信夫 水声社)を読んで書評を書く。小島信夫の文章を読んで感じるのは、書き手(語り手)もまた書き手(語り手)自身にとって他者のように現われてくること。書き手(語り手)を観察しているもうひとりの誰かがいる。つ…

リセット

本日はリセットの一日。表参道にてスパイラルな思考を解きほぐす。「心中天網島」(篠田正浩)、「アワーミュージック」(ゴダール)を観る。「心中天網島」は我が家の小さなテレビでDVDで観るのはもったいなさ過ぎる映画。 武満徹の音楽と篠田の映像のから…

浪曲

江戸東京博物館ホールで浪曲を聴いてきた。 「甚五郎旅日記 掛川宿」玉川奈々福、曲師澤村豊子 「素麺を煮る内蔵助」澤順子、曲師佐藤貴美江 「佐倉義民伝」国本武春、曲師澤村豊子 等々。お目当ては、玉川奈々福と曲師の澤村豊子師匠。豊子師匠の三味線の、…

曲目

「歌うたいのバラッド」 斉藤和義 「BABY BLUE」 フィッシュマンズ 「ばらの花」 くるり 「永遠の嘘をついてくれ」 中島みゆき 「ファイト!」 中島みゆき 「そして僕は途方に暮れる」 大沢誉志幸 「強く儚いもの」 COCCO 「君の瞳に恋してる」boys town gan…

愛書

谷崎潤一郎「春琴抄」再読。 隠微な語り口にじんわりしびれる。 都立大学の近くにある丘の上の図書館を覗きに行く。 図書館に行くたびに、図書館で暮らしたいと思う。 目についた順に、 「ブラックアトランティック」(ポール・ギルロイ)、 「彼岸の時間」…

慌しい 落ち着かない

16日(月)午後、tsutayaに返さねばならぬ溝口の「近松物語」を大慌てで観て、夜にはチェチェンの青年ティムール君の帰国歓送会に顔を出した。『近松物語』。不義密通の誤解が、そのまま本当の不義密通へと一気に一途に進んでいく、その理不尽極まりない話…

セザンヌからピカソへ

というタイトルの講演を雑誌「風の旅人」の編集長のお誘いで聴いてきた。 話し手は、「風の旅人」で連載をされている酒井健さん。 パワーポイントで絵を画面に大写しにしながらの話。 最近、絵なんてじっくり見る暇もなかったから、ノンビリと絵を眺めて、 …

文芸創作

文芸創作、というのは、恵泉女学園大学で私が担当している講義。 本日、いま、まさに、すぐ傍らで学生たちが作品集の製本作業真っ最中。(@大学人文学部研究室)。 十名の学生の作品が一冊にまとまる。で、私が講師の立場でやったことというのは、 彼女らひ…

文章教室

金井美恵子の「文章教室」(河出文庫)を読んでいる。ちょっとこれは面白すぎる。書いた本人も言っているとおり、傑作。初版が1985年、二十数年前に書かれた小説で、 それゆえに当時のニューアカと呼ばれていた現象やら言説やら風俗やらも描かれているのだが…

心を入れ替え、衣も替える

小唄の話を書きっぱなしで、二年ほど忘れていた日記を、今日から、きちんと書くこととする。 小唄しばりをほどいた、几帳面ではない、日々雑録。 今日、出会いなおした歌。室生犀星の詩。 ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの よしや う…