2011-01-01から1年間の記事一覧

「徹底的に間違ってるんだよ」

そう言ったのは、荒川修作。 人間なんて、すべて借り物だ。そう言ったのも荒川修作。言葉になんかならないんだ、体で分かれよ、と体で吼える、荒川修作。命は自分の体の内側にあるのではない、人間は体の中に押し込められて生きているのではない、そういうわ…

笑うしゃれこうべ

2010年秋学期の恵泉文芸創作クラスの学生たちの作品締切は26日。ぽつぽつと作品が届き始める。秋学期には履修していないにもかかわらず、みずから苦悩煩悶呻吟して作品を書いて提出してくる文芸創作クラスOGのM体質の学生も3名ほどもいる。各自、個々の…

影で結ばれる。

あまりに本が多すぎて、一回では引越ができず、(いっぺんに荷物を運ぶと、本を箱詰めしたり、箱から出したりするためのスペースが確保できない)、この一週間、旧居⇔新居を行ったり来たりしながら引越し中。まだあと一週間かかる予定。既にヨレヨレ。 ル・…

不可視の島を存在せしめるものは……?

読売新聞書評面(2月13日)に、今福龍太氏による『あなたたちの天国』(李清俊著 姜信子訳 みすず書房)の書評が出た。 http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20110214-OYT8T00235.htm文学を文学としてまっとうに読んで書評してくださったことが、なにより…

ひそかな小さなはさみで、プツン

昨日、実に久しぶりに芝居を観た。『チェーホフ?!』(作・演出:タニノクロウ ドラマトゥルク:鴻英良)@池袋芸術劇場。『曠野』に始まり、『曠野』に終わり、終わりが始まりなのは、チェーホフをイメージのジャンプ台にした芝居だから、ま、そんなものか…

「ぎぃぃぃぃ」と「にぃぃぃぃ」の間

最近のハコちゃん。まだ生後4ヶ月だから、明確な言葉をしゃべるわけもないのだが、なにやら不満で異議申し立てをする時には、「ぎぃぃぃぃ」のような「にぃぃぃぃ」のような、その間で揺れ続けるような表記不可能な音を出して泣いて訴える。歯が生えていれ…

さあ、われらの旅を語り合おうか

在日本韓国YMCAのほうで、「ディアスポラ」企画の大まかな内容をまとめてくださったので、早速お知らせ。 - さあ、われらの旅を語り合おうか 〜在日、 コリョサラム、 コリアン・ディアスポラ〜 事の発端は、ウズベキスタンの「コリョサラム」キム・ブル…

愛情なくして……

今日は打ち合わせともろもろ準備の日。午後は、在日韓国YMCAで3月6日に行なわれる「コリアン・ディアスポラ」の企画についての打ち合わせ。ウズベキスタンから高麗新聞編集長を迎えての、コリョサラムと在日の出会いと語らいの会を持とうとしている。…

ハコちゃん

孫(と書くのには、まだいささか抵抗があるが)、ともかく孫に、一週間に一度の割で会いに行く、というか育児疲れの娘の顔を見に行く(特に何か手伝ってあげているわけでなく、アカンボとにらみ合う関係に割って入って風を吹き込む、気楽な第三者として)。…

ばかもの

『沖縄を聞く』(新城郁夫 みすず書房)を読む。世の中では、他者の声を聞くだの、隠された記憶の物語を語るだの、いとも簡単に言ったりもするけれど、「聞く」ということ、「語る」ということがどれだけ容易ならざることか、その心構えと覚悟を持って「聞く…

珍味

本日は、中目黒にて珍味の会。珍味を食する会ではなく、人間的に「珍味」な者たちの集まり。本日の集まりの趣旨は、珍味ゆえに世の中でやや生きにくくなっている(同時に面白く生きてもいる)者たちが、もっと愉快に生きるべく、その活路を開いていこうとい…

道のほとりで

鄭芝溶(チョン・ジヨン)の詩『고향 (故郷)』を読む。 - 『ふるさと』 訳:金素雲 ふるさとにかへり来て/ふるさとの あくがれわびし。 雛いだく野雉はあれど/ホトトギス すずろに啼けど、 ふるさとは こころに失せて/はるかなる港に 雲ぞ流るる。 けふ…

惜しみなく愛は奪う

思い立って、横浜ダイヤモンド地下街有隣堂にて、日々の記録を記す真っ白なノートを買った。レジを待つ列、私の前には普段着の俳優の利重剛。あっ、横浜に住んでいるのか…。だからというわけではないが、映画がらみの記述からノートを始める。真っ白なノート…

なぜ聞きたがる?

あけましておめでとう! 2011年。さあ、出発だ!75才ひとり暮らしの母を訪ねて、韓国式雑煮を食べ、15年先のことを心配している母の生命力に呆れながら四方山話。夕刻、中華街関帝廟に初詣。願いを胸におみくじを引く。さて、神のお告げは……。 第53番「貴方…