アラビアの夜の種族

少し眠っては目が覚める、昼夜のリズムと体のリズムがまだ折り合わぬ、バンクーバーの夜。 今日の昼間、ブリティッシュコロンビア大学でのセミナーでは、下記の言葉を出発点として、私は「空白」を生きる、「空白」をつなぐ、ということを語った。 「思えば…

今年もよく旅をした。

年の初めから、詩人谺雄二の声を千年先まで飛ばそうと、谺さんに会いに、本を作りに草津の栗生楽泉園に通った。5月11日に谺さんが逝ってしまう前に、本は滑り込みで間に合った。谺さんの「いのちの証」。『死ぬふりだけでやめとけや 谺雄二詩文集』(みすず…

佐渡の旅。 11月1日〜3日。メモ。。

11月1日朝5時過ぎに家を出て、新潟をめざした。船は9時過ぎに出航。雨模様。風景が潤んでいる。岸壁を離れる船の上をかもめが舞う。 (でも、かもめに見送られて……、などというのどかなものではなく、デッキから投げ与えられるお菓子を彼らは群れなして旋…

佐渡への旅の支度。 メモ。

ちょっと手間のかかる校閲作業を終えて、一休み。 さあ、佐渡の安寿伝説を訪ねる旅の準備を始めよう。森鴎外の「山椒大夫」のもとになっている説経節「さんせう太夫」は、人形浄瑠璃、瞽女唄、イタコのお岩木様一代記とさまざまに語られ歌われ日本各地にさま…

昨日10月13日は城下町高田(新潟)の有形文化財の町家にて、

高田瞽女の祭文松坂『山椒太夫』全段を聴いた。 演者は瞽女唄継承者の萱森直子さん。 最後の長岡瞽女の小林ハルさんと最後の高田瞽女杉本シズさんをを師匠に、瞽女のようにひたすら耳から覚えて、歌い語るときはじっと目をつぶって、越後の風雪にギザギザ削…

2014年9月7日、猿賀神社例大祭の日に、神社本殿前に翻っていた幟には、「猿賀深沙(さるかじんじゃ)大権現」。 『安寿 お岩木様一代記奇譚』のうちの「猿賀神社の片目魚伝承」にこんなことが書かれている。 「いま猿賀神社の主神は上毛野君田道命(か…

猿賀神社 宵宮のイタコ

かつては猿賀様の宵宮には、大勢のイタコがやってきて、 人々は列をなしてイタコに口寄せをお願いしたのだという。 その様子が、1970年代に猿賀神社の宵宮を訪れた小沢昭一によって記録されている。今年の宵宮では、イタコの小屋はただ一つ。 もう2、3年前か…

2014年9月7日 猿賀神社 宵宮 

午前中は県内各地域からの奉納の獅子踊り。続々と各組が猿賀神社目指してやってくる。 参道をお囃子にのって先導の道化の「可笑し(おかし)」が三匹の獅子を引き連れてゆく。 境内との境の鳥居前に<可笑し>と獅子がひざまずき、 神にご挨拶申し上げてから…

イタコのお岩木様一代記に語られる

イタコの「お岩木様一代記」に語られる岩木山のご神体、あんじゅが姫を訪ねる旅に出た。 「お岩木様一代記」では、苦難の旅の末にあんじゅが姫は岩木山の山の神となるのである。 そして、付け足しのように、兄の「つそう丸(厨子王)」は駿河の富士山の神に、姉…