生埋めにされたあんじゅが姫

●母はおさだ、加賀の生まれ。
(加賀からの移民という、当時の人の流れを想起させる)
●兄はつそう丸
…(説経「山椒太夫」から来た名前だろう。在地の神が物語を乗っ取る
●姉はおふじ、
●最後があんじゅが姫。
(安寿姫でもあり、庵主が姫でもある。母さだと庵主の不貞を疑われた子である


※この乗っ取られた「山椒太夫」は、イタコの語りによって、生れるやいなや3年間父によって生き埋めにされた「あんじゅが姫」が岩木山の神になるまでの険しい旅の物語と転生する。

※ 庵主が姫。もっとも貶められた名前が、もっとも聖なる名前「お岩木様の神あんじゅ」へと転生する。


※三年間絹の下着に包まれて。これは、三年間胞衣に包まれて、と言い換えようか。


不貞を疑われ、あんじゅが姫を生き埋めにされた母おさだは、目を泣きつぶす、離縁される。
(おさだの境涯は、盲目のイタコの境涯と響き合う)