今日読んだ詩 

ぼくが水を聴いているとき

ぼくは 水であった

ぼくが樹を聴いているとき

ぼくは 樹であった

ぼくがその人と話しているとき

ぼくは その人であった

それで 最上のものは いつでも

沈黙 であった

ぼくが水を聴いているとき

ぼくは 水であった

 

山尾三省「水」 『びろう葉帽子の下で』より