2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧
最近、毎月勉強会に参加して、少しずつ読んでいる安藤昌益。 江戸のアナキスト。 ただし、ここに抜き出すのは、興味関心に沿った非常に偏った抜粋。 安藤昌益全集 第1巻 稿本自然真営道第二十五より 「炉ヲ以テ転下一般ノ備ハリヲ知ル論」 転下万国ノ人家、…
奥の細道 末の松山・塩釜 それより野田の玉川・沖の石を尋)ぬに末の松山は寺を造りて末松山(まっしょうざん)といふ。 松のあひあひ皆墓原(はかはら)にて、はねをかはし枝をつらぬる契りの末も、終にはかくのごときと、悲しさも増りて、塩がまの浦に入相のか…
以下のメモは、『東北の田村語り』(阿部幹男 三弥井書店)による [坂上田村麻呂の説話化の道]811(弘仁2) 「毘沙門の化身、来りてわが国を護ると云々」(『公卿補任) その1 清水寺がらみ 平安末 『今昔物語集』巻11 清水寺草創縁起 大和国子島寺の延…
森崎和江つながりで、あらためて簾内敬司をじっくりと読んで、茫然としている。 この人の、深々と東北の風土に根差した、この恐るべき声を、どうして今まで聞き取ることができなかったのだろうかと、自分の小さな耳にがっくりとする。 小説『千年の夜』に寄…
なぜ「中動態」の本を読むのかと言えば、 「私」という「一人称」を森崎和江の問いがずっと、私の胸の奥深いところに刺さっているから。 妊娠出産をとおして思想的辺境を生きました。何よりもまず、一人称の不完全さと独善に苦しみました。(中略) ことばと…
――これから進む道のための書き抜き―― 瓦礫 「新しい天使」と題されたクレーの絵がある。そこには一人の天使が描かれていて、その姿は、じっと見つめている何かから今にも遠ざかろうとしているかのようだ。その眼はかっと開き、口は開いていて、翼は広げられ…
記憶の継承、共有、伝承のために。 広島出身の川本隆史は、固定化された記憶と言う意味での、いわゆる「原爆神話」のゆがみや欠落を丁寧に見直す作業を通じて、固定観念へと凝固した「記憶」をほぐしつつ、共通の認識に向かって歩むことを考えた。 そして、…
① 信者 向うから空桶からおけを担かついで来る女がある。塩浜から帰る潮汲しおくみ女である。 それに女中が声をかけた。「もしもし。この辺に旅の宿をする家はありませんか」 潮汲み女は足を駐とめて、主従四人の群れを見渡した。そしてこう言った。「まあ、…
碑銘遠き日の石に刻み 砂に影おち崩れ墜つ 天地のまなか一輪の花の幻 風景水のなかに火が燃え夕靄のしめりのなかに火が燃え枯木のなかに火が燃え歩いてゆく星が一つ 悲歌濠端の柳にはや緑さしぐみ雨靄につつまれて頬笑む空の下水ははつきりと たたずまひ私の…